花元孝二に6500円

 峰子の場合と違って花元孝二は本当だから私としてはどれ位書けるか楽しみだ。

こんな貧困者を見たことがなくそれで私は相手にしている。

昨日は1000円渡してごみを引き受けてやるということを言ったが今日はごみの件は断った。それは自分としても相当困ることであったから玲子が怒ると言って断ることが出来た。

奴はそのことはあまり気にしていないようだ。

花元孝二は常に自分の保険金の事を言っている。

交通事故の保険金が入ると言っているのだ。だがそれは奴の妄想に過ぎない。保険会社からも弁護士からも既に相手にされていないのだ。そういったことは奴の話から自然と判ってくることだ。始めに6500円と私が言ったのは奴に渡した金である。総合計だ。

 奴が何とか私から貰いたくて必死に話をした結果奴が受け取った金額である。

奴は金がないので必死なんだ。昨日は夜顔面に汗を出して私に金をせびっていた。私はこの男の体調が悪いのではないかと思った位だ。青白い顔で汗から噴き出していた。今度顔を見てやろう。また同じように成っているかどうかだ。また同じように成って金をせびって来たらまたやってもいい。500円位なら顔面の汗に代わって与えてやってもいい。



ヒロサコオジサンisヒロサコレイジ's Ownd

異常心理か妄想か或いは果てしなき創作か・・・私は書かねばならない!

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